東京での出産を控えていた遼子だったが、急遽、夫がドバイへと転勤することになり、大阪の実家で里帰り出産をすることにした。新築したばかりの実家に帰ると、両親と妹の美和の間がギクシャクしてるが遼子にはその理由が分からない。家族なのに、何故、何も話してくれないのか・・・。
前半はドキドキゾワゾワしたけれど、真相が明かされる後半は「そういうことか~」と」腑に落ちつつも、なんだかちょっと物足りないような、そんな印象を受けました。ミステリーということだったんだけど、そこまでミステリーという感じでもなく、なんだろ、なんだか、どれもこれもが中途半端というか、なんというか・・・。
と、びみょーに歯切れの悪い感想なんだけども。そうとしか書きようがないんですよねぇ。だからと言って、「つまらなかった」ということではないんですよ。特に前半は先が気になってページを繰る手が止まらなかったくらいでした。遼子が感じる違和感や疎外感がじわじわと心を侵食していくようで、読んでるこちらまで、どんよりとした気持ちになっていきました。
後半になって、悲惨な結果となってしまった美和の事件が明かされ、このタイトルの意味が明らかになる。事件については、本当にどうしてそんなことまで・・・と思わずにはいられない。父親の怒りも分かるけど、そこまでしちゃうのは、ねぇ・・・。でも、これなら家族がバラバラになっちゃうのは当然でしょうね。母親がもうちょっと父親の怒りを静めてくれていれば・・・と思わずにはいられませんでした。
本当に悲惨な事件だったのはわかるんだけど、でも、前半のそれはそれは不穏な空気に不安や期待が最高潮に達してた割には、事件的にはそこまで意外なというか、衝撃的なものではなくって・・・。いや、衝撃はあったんだけど、もっと「えぇーーっ!?」と愕然としちゃうような、そんな事件ってことで。中学3年生で・・・とかって、別に目新しくも何とも無いし、その後に起こったことも、確かに辛く悲しいものではあるけれど、そんなに予想外なことでなく・・・という。なので、心の隅っこで「なーんだ」と思っちゃう気持ちを抑えることは出来ませんでした。
そんなこんなで、後半は、うーん;;;と思いながら読んでいたんですが、最後の最後でまたぞろ不穏な空気が・・・。おぉ、やっぱりこうでなくっちゃ!と思いながら読了したのでした。
(2015.02.10 読了)