ホラー短編集。
各短編のタイトルページを一目見て、「うわ、これは夜は読めない。昼間に読もう・・・」と思い直して、寝る前に読むのは止めましたよー。いや、怖いって。特に各短編のタイトルの書き方には恐怖心が湧いてしまいますよ;;;
・・・と、怖がりなのに、ホラー系にもついつい手を出しちゃうんですよねぇ。なんなんでしょうね。。。
古い家屋に引っ越した主人公が怪異に出会い、それを営繕かるかやの尾端さんのアドバイスを受けてリフォームしていく・・・というお話。
どれも、最初は怖いんですよ。最初は「あれ、おかしいなぁ・・・」という感じだったのが、だんだんと気のせいではなくなっていく。じわじわと恐怖が湧き上がり、得体のしれないモノに怯える日々。主人公の女性たちと一緒に、恐怖を味わいました。怖かったー。
と、かなり怖かったんだけど、営繕かるかやの尾端さんが登場すると、いともあっさりと解決されてしまう。その後は、「めでたし、めでたし」な感じが、なんとも拍子抜けでして。いや、怪異が無くなったのはいいんだけど、「え、これで終わり!?」みたいな、ね。まぁ、怖がりな私としては、読み終わっても恐怖感が残ることが少なかったので良かったんですが、あまりにもあっさりと解決しすぎちゃって・・・。尾端さんにも、もうちょっと活躍してほしかったなぁと思ったし。短編だから、そこはしょうがないのかな。もうちょっと何か・・・と思ってしまうのは、読者の我儘なんでしょうか。
怪異が起こった経緯というのが、切ないものが多かったのも、そこまで恐怖感を引きずることがなかった理由かな。特に「異形のひと」「檻の外」は哀しい出来事が発端だったので、理由が分かると怖いよりも切ない気持ちの方が大きくなってしまいました。どうか、安らかに・・・と願わずにはいられません。
・奥庭より
・屋根裏に
・雨の鈴
・異形のひと
・潮満ちの井戸
・檻の外
(2015.01.30 読了)