2015年01月28日

何が困るかって(坂木司)

18編のショートショート集。

ほとんどがブラックな感じで、読んでいてゾクッとするものから、ぞわわわわっとするものまで多彩。だからか、短編集が苦手な私も飽きずに最後まで読めました。それにしても、坂木さんもよくこれだけのお話を作れましたねぇ。凄いなぁと思います。まぁ、さすがに大変だったようで、最後の”あとがき”でぼやかれてたような(笑)

一番印象に残ったのはどれかなぁ。

「怖い話」「都市伝説」は怖かった。最初は普通の会話なんだけど、会話が進んでいくと「え?」という展開になって、じわじわとと恐怖がわいてくる。最後は、ぎょわーっ!と叫びそうになりました。いや、これは怖かった。特に「都市伝説」の方は、読んでいて気分が悪くなるくらい。こういう人っているのかな。でも、そういう事件が実際に起こってたりするので、いるんでしょうね。怖い、怖いよ。

「勝負」「洗面台」は、最後にほっこりと笑顔になれて良かった。バスの降車ボタンを巡る攻防を描いた「勝負」は読んでてすごく楽しかった。普段、バスをほとんど利用しないので、たま~に利用すると降車ボタンをどのタイミング押せばいいのか戸惑うことがあります。大抵は旅先で利用することが多いので、余計に分からなくって。なので、ほとんどは誰かが押してくれるのを待つことが多いかな。・・・って、知らず知らずに攻防戦を繰り広げてるのかしら~(笑)「洗面台」も、最初はどうなることかと思ったけど、だんだんと幸せな雰囲気になっていって。良かったです。読み終わった後、思わず我が家の洗面台に話しかけたくなりました(笑)

あと「入眠」は、最初から不穏な空気でドキドキしたんだけど、最後のオチで「そっちかー!」と苦笑。完全に著者に騙された。悔しい。同じように著者に騙されたけど、笑えなかったのは「鍵のかからない部屋」。お腹の中の”できもの”の正体がわかった時は、スッと心が冷えました。

他には・・・と書いていくとキリがなくなっちゃいそうなので、この辺で。どれも小技が効いてて面白かった。そういえば、最後の”あとがき”にも騙されちゃいましたよー。うわ、ヤラレター!と思わず笑っちゃいました。




・いじわるゲーム
・怖い話
・キグルミ星人
・勝負
・カフェの風景
・入眠
・ぶつり
・ライブ感
・ふうん
・都市伝説
・洗面台
・ちょん
・もうすぐ五時
・鍵のかからない部屋
・何が困るかって
・リーフ
・仏さまの作り方
・神様の作り方
・ぜんぶ困ります



(2015.01.26 読了)




何が困るかって
東京創元社
坂木 司

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ラベル:読書 著者(さ)
posted by すずな at 12:47| Comment(4) | TrackBack(2) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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