2015年01月24日

妖怪アパートの幽雅な日常⑩(香月日輪)

シリーズ最終巻。

夕士が高校卒業後は大学に行くことを決め、志望校受験に向かっていき・・・で、いきなりの展開にビックリでした。いや、もうね、本当に、まさかまさかの展開に呆然としちゃいましたよ。こういうのってアリなのーっ!?と心の中で突っ込みをいれまくりでした。

でも、長谷の為の行動ですからね。今までの夕士との関係を考えると、夕士の行動は納得できるんだけどね。でも、よりもよってこんな展開になるとはねぇ・・・。10冊読んできて、一番、驚きました。

それにしても、いきなり時間が飛びすぎですよね。もうちょっと、目覚めたところからラストまでに何か書いて欲しかったなぁと思いました。まぁ、すでに番外編が出てるようなので、そっちで少しは穴埋めできるのかなとは思いますが。


・・・ただ、この著者が最近、お亡くなりになってしまったという、この最終巻の展開よりも驚く出来事がありまして。それ以上の、続編や外伝が読めないのは残念です。
訃報を知ったのは職場の昼休みだったんですが、このシリーズ本を貸してくれたのが職場の同僚ということもあって、みんなで驚きを共有し、そして、著者のご冥福をお祈りしたのでした。



(2014.06.30 読了)





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上野池之端鱗や繁盛記(西條奈加)

騙されて江戸に来たお末の奉公先は連れ込みまがいの料理屋。料理も味も接客も三流の料理屋だったか、若旦那の奮闘もあって、しだいに名店と呼ばれた昔を取り戻していくが・・・。

人情物の料理屋の再生物語だと思って読んでいたら、いきなりの復習劇のミステリー調になってびっくりでした。でも、思ってた以上にドキドキハラハラ出来たりもして、その驚きが嬉しさに変わったので良かったけどね。

それにしても、若旦那のことを思うと切ないです。復習したくなる気持ちも分かるけれど、でも、やっぱり・・・ね。怖いなぁとも思ってしまいます。若旦那のそういう面も見てるのに、最後はまさかの展開で二度ビックリかな。お末は強く、そして優しい娘だなぁと思いました。

でも、ドロドロした終盤を払拭するようなラストで良かったです。



(2014.06.26 読了)






上野池之端 鱗や繁盛記
新潮社
西條 奈加

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忘れ物が届きます(大崎梢)

あの時のあれはどういうことだったんだろう。時が過ぎ、その真相が解き明かされていくというミステリー短編集。

時を経て知らされた真実に、月日が流れたからこそ・・・というものもあれば、あの時、それを知っていれば・・・というものもある。本当のことを知るというのは大事だとは思うし、個人的には本当のことを知りたいとは思うんだけど。でも、知らないままでいたほうが良かったということも、時にはあるのかもしれないなぁと思いました。とはいえ、ほとんどは分かって良かったと思うんでしょうけどね。

そんな過去の出来事の真相が時を経て明かされる短編集。大崎さんらしく、優しさに溢れていて、でも切ないものもあって、ほろりとしたり、ホッとしたりしました。



・「沙羅の実
・君の歌
・雪の糸
・おとなりの
・野バラの庭へ



(2014.06.24 読了)






忘れ物が届きます
光文社
大崎 梢

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スペードの3(朝井リョウ)

劇団を退団した男役の女優、そのファンクラブのまとめ役という地位にしがみついている女性、そして、その女性の小学校時代の同級生。その3人を描いた連作短編集。


朝井さんって、男性だったよね?それも、20代よね?と、再確認したくなりました(笑)たしかに、男性でも女性でも、20代でも30代でも、同じ人間なんだから、根本的には一緒なんでしょうけど。でも、思わず確認したくなるくらい、女性のドロドロ~な心理が見事に描かれていて、内心すごく驚きながら読みました。

いや、怖いです。怖いけど、分かる部分もそこそこあって、それが余計に迫ってくる感じで。じめじめと陰湿でシツコイ感じが・・・。人は多かれ少なかれ、こういう部分も持ち合わせていて、嫉妬したり、劣等感を持ったりするものだってわかってるけど。そして、私の中にもそういうものが存在してるんだけど。それを抉り出されてるようで、読んでいてイタイ。でも、それが辻村作品ほどではないのは、男性作家さんだからなんでしょうか。

そういう心理的にイタイ部分もありましたが、某女性歌劇団をモデルにしてると思われる、ファンクラブの運営や事情などが垣間見れて、そこら辺は興味深く読めました。お弁当を差し入れしたり、出待ち、入り待ちってのは知ってたけど、こういうシステムになってるんですね。・・・って、実際のところは分からないんだけど。似たような感じなのかなぁと思いました。



(2014.06.23 読了)





スペードの3
講談社
朝井 リョウ

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可愛いベイビー(五十嵐貴久)

前作「ウェディング・ベル」があまりにも消化不良で、続編がとっても待ち遠しかったです。ようやく読めてスッキリ。

前作がタイトル通りなラストにならなかったので、今回もこのタイトルではあるけれど・・・と覚悟して読みました(笑)ま、今回は杞憂に終わったんですけどね。でも、もうちょっと未来まで描かれるのかなと思ってたので、そこはちょっと残念ではあったかな。

二人の結婚がどうなるのかと不安でしたが、どういう形にしろ、収まるところに収まって良かったです。児島くんも、相変わらず素敵な男の子でした。

それにしても、晶子の会社って結婚、出産をする女性にとっては働きやすい職場だなぁと思いました。周囲や上司の理解がすごくあると思います。まぁ、これはね、晶子の働きぶり、貢献度も大きいのかなとも思いますが。

現実には、15歳歳の結婚や、職場環境など、このお話のように上手くいくことは多くはないだろうなぁとは思うんだけど。でも、もしかしたら・・・と思える作品ではありました。

とにかく、二人がハッピーな結末を迎えられて良かったです。



・リストラについて
・挨拶について
・同棲について
・中華について
・トラブルについて
・撮影について
・推薦について
・体調不良について
・家族について
・ウエディングについて



(2014.06.22 読了)






可愛いベイビー
実業之日本社
五十嵐 貴久

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オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン(小路幸也)

シリーズ第9弾。

もうね、安定の面白さ。そう断言しちゃっていいかな。4世代の大家族である堀田家に舞い込む事件というか謎を「LOVEだねぇ」で解決していくという、鉄板な展開の作品。・・・って、なんだか凄い表現だけど(笑)でも、決してマンネリという感じはなく「こうでなくっちゃ!」と思っちゃうんですよねぇ。不思議なんだけど、その安定、安心なところが魅力なのかな。


今回はなんと言っても、「けんとーーーっ!」ですね~(笑)あの研人が中学3年生ですからね。そして、進路問題発生ですよ。なんか、本当に親戚のおばちゃん目線なんだけど、ついつい「あの研人がねぇ・・・」としみじみしちゃいます。いや~「高校には行かずイギリスに行く!」って言い出した時はどうなることかと思いましたが、まさかのマードックさんの説得が効くとは・・・。でも、あの言葉はマードックさんだったから出てきたものだと思うし、だからこそ、説得力がありました。読みながら、「いや、研人、それはちょっと考えて・・・」とは思ったんだけど、その思いを言葉にするのは難しくて。だから、マードックさんの言葉に「そうそう!そうだよー!」と頷きつつ、心のモヤモヤみたいなみたいなものがスッキリと取れました。まずは、自分の生まれた国である日本をちゃんと知らなくちゃね。

それにしても、大人はそんなに感じないけれど、子供の成長はホントに早いですね。研人や花陽もそうですが、かんなちゃんと鈴花ちゃんが3歳ですからね~。毎朝、家族の席を決めるのが日課になってるってところが可愛くってニマニマ。うわー、私の席も決めて欲しー!と身もだえしちゃいました。その上、あぁ、私の姪もあの頃は可愛かったのになぁ・・・最近は、生意気になっちゃって・・・と、しみじみ思い出に浸ってしまったりもしたのでした。うわ、完全におばちゃんじゃないですか(笑)

そういえば、堀田家にもITの波がやってきましたねぇ。お宝満載の蔵をデジタルアーカイブ化ですって!読みながら、これは勘一じいちゃんが大反対するんじゃないか!?と思ったんですが、意外や意外。予想に反して大乗り気でビックリしました。勘一じいちゃんより私のほうが頭が固いなんて・・・。でも、そんな柔軟な勘一だからこそ、大家族の堀田家をまとめていけるんでしょうね。凄いなぁと改めて尊敬しました。


今作も、ほんわか温かくなれる1冊でした。読み終わると、なんだか幸せな気持ちになれます。そして、次の新刊がとーーーっても待ち遠しい。。。



(2014.06.20 読了)







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カレイドスコープの箱庭(海堂尊)

肺癌患者が右肺葉摘出手術の後に亡くなったのは病理医の誤診ではなかったのか?高階病院長の指示で田口医師が調査に乗り出す。同時期に、AI国際会議の開催もあり、その準備と合わせて田口医師の忙しい日々は続く・・・。


・・・と、あらすじを書きつつ、なんだか作品の雰囲気と違ってるような気がするなぁと思ってしまったんだけど(笑)なにせ、半年くらい前に読んだ作品なので、もうね、記憶が曖昧というか、なんとなーくしか覚えてないことも多くって;;;


この作品で一番良かったのは、巻末に収録されていた「登場人物リスト&桜宮市年表&作品相関図」ですよ。”バチスタシリーズ真の最終章”と銘打ってるだけありますが、どうせなら、もっと早く作って欲しかったなぁと思ってしまった。でも、ようやく、全体像や時系列を整理出来たり、把握出来て良かったです。


久しぶりに田口&白鳥コンビが読めて嬉しかった。やっぱりこの二人のコンビは読んでて楽しいです。

高階病院長に依頼された調査については、なかなか興味深く読みました。どれだけ完璧だと思っていても、ミスは起こってしまう。関わる全員が同じ意識でやていくことの大切さを改めて実感しました。病院で起こってしまうミスというのは、人の生死に関わってくることなので、出来るだけ、というか絶対に起こってはいけないことだとは思いますけどね。

そして、国際会議の方は懐かしい人物も登場したりと、なんだか同窓会的内容でした。こちらは、まぁ、ご愛嬌のエピソードかな、という感じ。


そこそこは楽しめたけど、まぁ、テンションが上がりまくり~のような高揚感は味わえなかったような。このシリーズは初期の方が面白かったんですよね。その分、後半は失速気味だったのは否めない。その点は残念なシリーズでした。




(2014.06.20 読了)







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posted by すずな at 05:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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