結衣子の姉の万佑子は小3の時、帰宅途中に行方不明になったが、2年後に突然帰って来た。帰って来た姉に喜ぶ家族だが、結衣子は「本当の姉なのか」と疑問に思う。その違和感はずっと拭えないまま13年が過ぎ・・・。
タイトルはアンデルセン物語の「エンドウ豆の上に寝たお姫様」から取られたもの。上手いタイトルだなぁと思いました。結衣子が感じ続けた違和感。両親、そして検査でも姉妹だと断定されたのに、「本当の姉なのか」という気持ちは消えない。周囲から見ると、本当の姉であるというゆるぎない証拠が幾重にも重なっていくのに、「違う」と思う。最後まで読んで思わず唸らされました。
それにしても、どう考えても結衣子が可哀想でなりません。姉が行方不明になってから変わってしまった母親。そんな母親からされた仕打ち。そして、どうして両親は祖父母や妹の結衣子にまで本当のこと隠し続けたのか。両親や姉にずっと騙されていたことを思うと・・・。いくら子供だって、そこは正直に教えて欲しかったなぁと思います。なにせたった二人の姉妹なんですから。
真相にたどり着くまで、どういうこと?どうなるの?とドキドキハラハラ出来て、それはそれで面白かったんだけど、読み終わって何とも言えない気持ちになりました。切ないというか、痛いというか、怒りまでも感じてしまったり。ということで、読後感はイマイチ。もやもやが消えない・・・。
や、それでも、面白かったということに変わりはないんだけどね。だから、余計に複雑・・・。
(2014.06.20 読了)