シリーズ3作目。
自殺と断定された夫の死の真相を求め手段を選ばず追い続ける警視庁上野署の八神瑛子。いよいよ真相へと近づいていくが・・・。
2作目までで結構、風呂敷を広げていたような気がしてたので、本当にこの1冊で終わるのかな!?とドキドキしてたんですが、本当に終わってしまいました(笑)それまでが濃密だった分、呆気ないくらいにさらっとラストを迎えちゃったなぁという印象。でも、物足りなさとか、そういうものは感じることは無く、最後まで楽しめました。
なんといっても、八神の真相を掴むためには手段を選ばないというポリシーに脱帽。それだけ、旦那さんへの想いが深かったということもあるだろうし、刑事として真相を掴みたいという矜持みたいなものもあったのかなぁと思った。でも、そこまでしないと真相には辿りつけないというのは、そこに属する者としてどうなんだろう。私だったら、組織に絶望してしまって、真相にたどり着く前に挫折しちゃってたような気がします。まぁ、それだけ旦那さんへの想いが強かったというのが一番なんだろうけどね。
真相までたどり着いちゃったので、もうどうにもならないとは思いつつ、もうちょっとこのシリーズを読みたかったなぁというのが正直な気持ち。瑛子を主人公とした新たなシリーズが始まってくれると嬉しいなぁ。
(2014.06.05 読了)
**アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子
**アウトクラッシュ 組織犯罪対策課 八神瑛子Ⅱ
2014年12月16日
2014年12月15日
バベル(福田和代)
日本にだけ蔓延したウィルス。それは、人間の言語に障害をきたし、場合によっては感染者との意思の疎通までが不可能になる。感染拡大を恐れた諸外国は日本との貿易・渡航を制限し、鎖国状態に陥ってしまう。日本政府は非感染者だけを収容する「タワー」を建設し隔離政策をとるが・・・。
ウィルスが猛威を振るい始めた頃とその後の二つの章で構成される。感染が拡大し始める最初の章は、いわゆるパニック物の様相で、これからどうなるのー!?とドキドキワクワクしました。が、その後が描かれる後半の章では、ちょっと失速気味だったかな。感染した恋人を探し続ける主人公の想いは切なかったけど。最初の章が感染拡大し始めたところで終り、次の章ではもうそのパニックは収束した世界が描かれているということもあって、上がったテンションの持って行き場がなかったというか・・・ね。あ・・・れ?という拍子抜けのような気持ちも味わってしまったのは、ちょっとだけ残念でした。
(2014.06.03 読了)
ウィルスが猛威を振るい始めた頃とその後の二つの章で構成される。感染が拡大し始める最初の章は、いわゆるパニック物の様相で、これからどうなるのー!?とドキドキワクワクしました。が、その後が描かれる後半の章では、ちょっと失速気味だったかな。感染した恋人を探し続ける主人公の想いは切なかったけど。最初の章が感染拡大し始めたところで終り、次の章ではもうそのパニックは収束した世界が描かれているということもあって、上がったテンションの持って行き場がなかったというか・・・ね。あ・・・れ?という拍子抜けのような気持ちも味わってしまったのは、ちょっとだけ残念でした。
(2014.06.03 読了)
2014年12月10日
キャロリング(有川浩)
「演劇集団キャラメルボックス」での舞台化の為に書かれた作品。
少年時代に親の虐待を受け、勤めてる会社の倒産が決まっている大和。職場の同僚である元恋人に今も思いを寄せる。両親が別居し母親と暮らしている航平。母親の海外転勤の為に日本を離れることになっており、両親の仲直りを願っている。他に選択肢がなくサラ金の取り立てをしている赤木。部下二人を持つ。
有川さんらしい安定の面白さでした。元恋人同士の切ない想いや、両親の仲を元に戻したいと願う小学生の気持ち、そして、生きるためにサラ金の取立て屋になるしかなかった男の思いなど、胸に迫ってくるものもあって、時折、涙腺を緩ませながら読みました。
全てが丸く収まった大団円というカタチではなかったのも、有川さんらしいかな。最後、航平の気持ちを考えると切ない気持ちになりますが、これは、もうね、しょうがない。どうにもならないことってあるし。でも、最後は両親がきちんと航平と向き合ってくれて良かったなぁと思えました。その分、大和には頑張ってもらって、幸せを掴み取って欲しいと思います。きっと大丈夫よね・・・。
面白かったのは面白かったんだけど、これは「舞台」の為のお話なんだなぁと、そんなことを思ったのも事実。特に、ラストの展開などは「えぇっ!いきなりそうくる!?」と突っ込みたくなってしまった。まぁ、これはこれで面白かったんだけど、”舞台のクライマックスとしては”、とっても見応えがあったんだろうなぁと思いました。
舞台を観てない私としては、ちょっと気持ちが付いていけなかったかな。有川作品を読むときは、いつも理性を吹き飛ばして最後まで一気に読みきるんだけど、今回はちょっと冷静になってしまった自分がいました。
ちょっぴり残念。。。
(2014.10.26 読了)
少年時代に親の虐待を受け、勤めてる会社の倒産が決まっている大和。職場の同僚である元恋人に今も思いを寄せる。両親が別居し母親と暮らしている航平。母親の海外転勤の為に日本を離れることになっており、両親の仲直りを願っている。他に選択肢がなくサラ金の取り立てをしている赤木。部下二人を持つ。
有川さんらしい安定の面白さでした。元恋人同士の切ない想いや、両親の仲を元に戻したいと願う小学生の気持ち、そして、生きるためにサラ金の取立て屋になるしかなかった男の思いなど、胸に迫ってくるものもあって、時折、涙腺を緩ませながら読みました。
全てが丸く収まった大団円というカタチではなかったのも、有川さんらしいかな。最後、航平の気持ちを考えると切ない気持ちになりますが、これは、もうね、しょうがない。どうにもならないことってあるし。でも、最後は両親がきちんと航平と向き合ってくれて良かったなぁと思えました。その分、大和には頑張ってもらって、幸せを掴み取って欲しいと思います。きっと大丈夫よね・・・。
面白かったのは面白かったんだけど、これは「舞台」の為のお話なんだなぁと、そんなことを思ったのも事実。特に、ラストの展開などは「えぇっ!いきなりそうくる!?」と突っ込みたくなってしまった。まぁ、これはこれで面白かったんだけど、”舞台のクライマックスとしては”、とっても見応えがあったんだろうなぁと思いました。
舞台を観てない私としては、ちょっと気持ちが付いていけなかったかな。有川作品を読むときは、いつも理性を吹き飛ばして最後まで一気に読みきるんだけど、今回はちょっと冷静になってしまった自分がいました。
ちょっぴり残念。。。
(2014.10.26 読了)