更新が随分と滞ってしまいました。
まぁ、ちょっと「それどころじゃない」事態に遭遇しまして。バタバタと過ごしているうちに2週間以上が過ぎてしまってましたです。読書も出来ず、2週間かけてやっと1冊を読了したという;;;詳しくは「10月のまとめ」記事で・・・書くかな、どうかな。
と、それよりも記事UP!頑張りまする。。。
*****
様々な思いを抱えた女性たちが、登山を通して自分なりに進む道を見出していくという連作短編集。
まだ記事にしてないんですが、北村薫さんの「八月の六日間」とも似てるかな。違うのは、北村作品の主人公は一人なのに対して、こちらは短編毎に主人公が入れ替わるという点。北村作品のように一人の女性をじっくり描くのも良かったけど、様々な女性たちを登場させ、それぞれの人生が描かれたこの作品も良かったです。登場人物たちが短編同士で僅かながらも繋がっているのも良かったなぁ。そのリンクを見つけた時の「あ、この人は!」という喜びも味わえました。
登山って、一歩一歩前に進んでいくしかないから、その一歩ごとに想いが溢れ、心が乱れ、一歩ごとに心深くを見つめ、定まっていく。自分を見つめなおし、これまでの人生を仕切り直すには、すごくすごく良いのかもしれませんね。こういう登山をテーマにした作品を読むと、自分でもやってみたくなっちゃいます。でも、自然相手なので、危険も隣り合わせ。私のような素人が気安く出掛けるのには、ちょっと敷居が高いかなぁ・・・。体力もないしね;;;
どの短編も良かったけれど、特に好きだったのはバブルを経験した美津子が、お見合いパーティで知り合った神崎に誘われて登る「火打山」かな。ラストで明かされる美津子の過去に驚かされ、思わずニッコリ笑顔になっちゃいました。この二人は最後の「トンガリロ」でも登場して、二人のその後が語られるんだけど、すごく嬉しい展開で本当に良かったなぁ~と思いました。
あとは、小さい頃にお父さんに連れられて登山を始めた牧野さんが主人公の「槍ヶ岳」も良かった。親の老いって、なかなか受け入れられない部分もあるし、親から受けた愛情にも気付かない部分があったりもする。私自身も、親に対してイラついたりすることがあって、それが「老い」によるものなんだと、最近、気が付いたんですよね。ちょっとショックというかね、思うところもあったんだけど、少しずつ受け入れていかなきゃいけないなぁと思うし、自分が受けてきた愛情という名の「寛容さ」みたいなものを、今度は私が親に対して持つ番なんだろうなぁと感じているところだったりします。牧野さんが、次はご両親と一緒に登山できるといいなぁと、そんなことも思ったのでした。
・妙高山
・火打山
・槍ヶ岳
・利尻岳
・白馬岳
・金時山
・トンガリロ(ニュージーランド)
(2014.09.28 読了)