2014年09月16日

Burn.(加藤シゲアキ)

ピンクとグレー」「閃光スクランブル」に続く「渋谷サーガ」3部作の最終章となるらしい本作。前2作と同様、芸能界を舞台にした作品でした。


天才子役だったレイジが出会った、ホームレスとドラッグクイーン。彼らと関わるうちにレイジは人間らしい心を取り戻していくが、ある事件をきっかけに、その頃の記憶を失くしてしまう。あの時、何が起こったのか。30歳と10歳のエイジが交互に描かれ、20年前の記憶を徐々に取り戻していくレイジの姿が描かれる。

ホームレスの徳さんやローズさんの人間的な素晴らしさはよく分かったし、レイジが素晴らしい人たちと出会えたのも良かったなぁと思いました。徳さんの最後は壮絶で、10歳の子供が記憶を失くすのも無理はないなぁとも思いました。切なかった。悲しかった。

・・・と、いろんな感情も湧き上がってきて、良かったとは思うんですけどね。思うんですけど、今作は、その良かったに”そこそこ”という言葉がついちゃいます。

なんでしょう。登場人物ひとりひとりに、もうちょっと深みが欲しかったなぁと、そんなことを思っちゃったんですよね。なんだか薄っぺらい、そんな印象を受けました。もう少し、掘り下げて欲しかったというか、ね。物足りなさを感じてしまいました。


とはいえ、この著者さんの作品は結構、好きなので、次作に期待です。もうずっと書いてますが、次は芸能界から離れた作品を読みたいです。



(2014.05.13 読了)







ちょっと辛口になっちゃった。ファンの方々から激しいクレームがきたらどうしよう。ドキドキ。でも!この作品をアイドルではなく作家さんが書いたものとして読んだ正直な感想なので、変える気はないんだけどね・・・。でも、やっぱりどきどきしちゃうなぁ。。。




Burn.‐バーン‐ (単行本)
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加藤 シゲアキ

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ラベル:読書 著者(か)
posted by すずな at 05:39| Comment(2) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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