2014年09月13日

校閲ガール(宮木あや子)

出版社の校閲担当者のお話。
・・・って書くと、なんだか硬いイメージが湧くんだけど、タイトルからも分かるように、ちょっと軽めのお仕事女子のお話。ということで、宮木さんのドロドロじゃなく、うはうは笑えるほうのお話です。


ファッション誌の編集者を希望していた悦子だったが、配属されたのは文芸の校閲。文芸なんて読まないと言いつつ、悦子の仕事ぶりはなかなかもの。読みながら、なんだかんだ言いつつ校閲の仕事が合ってるんじゃないかなーと思ってしまいました。でも、悦子の言葉遣いは凄かった!読んでるこっちはウハウハ笑えるけど、実際にこんな人が職場にいたら、きっとムカつくと思うんですよねー。いくら”ゆとり世代”とはいえ、これはないんじゃないかなぁと思いました。実際にこういう人っているのかな。・・・いるかもねぇ。事実は小説よりも奇なりって言うしね。って、意味が違うか(笑)

それにしても、校閲って大変な仕事なんですね。字の間違いとか誤植を探すだけかと思ってたら、文章に齟齬がないかとか、時系列などの辻褄が合っているかなどなど、チェックする項目がそんなに多いとは思わなかったです。いや~、本当に大変そうだなぁと思いました。私が校閲の仕事をしようとしても、きっとその小説に没頭してしまって校閲にならない気がする。「は~面白かった!」なんて読了して、「・・・は!違うっ」と焦る姿が目に浮かぶ(笑)そういう意味でも、悦子は校閲という仕事が合ってるんじゃないかなぁ。

作家の本郷とどうなるかと、ちょっとハラハラしたけれど、最後は上手くまとまって良かった。うはうは笑えて楽しめた1冊でした。



(2014.05.04 読了)





校閲ガール
KADOKAWA/メディアファクトリー
宮木あや子

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ラベル:読書 著者(ま)
posted by すずな at 12:48| Comment(4) | TrackBack(2) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

我慢ならない女(桂望実)

作家のひろ江と彼女を支える姪の明子という二人の女性の物語。

タイトルの”我慢ならない”に多少、騙されたような気もしないでもないなーと思いつつ読了(笑)どんな”我慢ならない女”が登場するのかと思ってたんだけど、私的にはそこまでは感じなかったんですよねー。

最初はひろ江と明子の関係がどうなるのかとヒヤヒヤしたんだけど、そこは割合すんなりクリア。いつの間にやら明子はひろ江を支える間柄になってました。

そして、やっと作家としてデビューできても、そこからがまた大変で。売れればいいけど、売れなければどうしようもない。だからといって、売れればいいってもんでもないんですよねぇ;;;売れたら売れたで大変なことも山積み。逃げ出したいけど、逃げ出せない。そんな作家としての業の怖さみたいなものも感じました。



・・・って、なんだか読了時の感想とはかけ離れた感じになってしまったような気がするんだけど。まぁ、4ヶ月も前に読んだ本なので、そこはご了承ください。。。



(2014.05.02 読了)




我慢ならない女
光文社
桂 望実

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ラベル:読書 著者(か)
posted by すずな at 10:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハケンアニメ!(辻村深月)

面白かった!

辻村作品にしては、傷口をえぐられたり、女性たちのうへぇぇ;;;な部分はあまりなかったけど、でも、それを物足りないとは感じることなく、とっても楽しめました。

タイトル通りアニメに関わる人々を描いた物語。プロデューサー、監督、アニメーターの女性3人を主人公とした連作集のような構成。立場は違っていても、3人ともアニメを愛し、自分の仕事に一所懸命に取り組んでいるところは同じ。だからこそ、誰かとぶつかったりもするし、壁にもぶつかる。それでも、前へ前へと進んでいく姿に、先が気になって夢中で読みました。お仕事女子としては同じ立場にいる私ですが、彼女たちの姿を見て反省というかなんというか・・・ね。もう少しプロ意識みたいなものを持たないといけないなぁと、そんなことも思ったのでした。

最初「ハケン」って”派遣”のことかと思ったんだけど、”覇権”のことでした。そんな言葉があるってことを初めて知りました。最近は、ほとんど見なくなったアニメですが、学生時代はかなりハマってまして。毎月、アニメ雑誌を購入してたし、コミケに行ったりもしてたんですけどねー。いつの間にか、そんなこともしなくなって・・・。特にコレといった理由は無かったんですけど、この小説を読みながら「放映時間帯か!」と思い至りました。今は深夜帯などに放映されてるアニメでしたが、当時は夕方が主。それでは社会人として働いている私は見れない訳です。そうなると、自然と距離が出来てしまって・・・という感じだったんでしょうね。そんなことをアレコレ思っては、ちょっと寂しくなったりもしつつ(笑)でも、なんだか懐かしい雰囲気にどっぷり浸かれたのが嬉しくもあり。と、そんな読書となりました。

それにしても、世間は狭いというかなんというか。王子の実家&家族については「そうきたか!」と、思わず笑っちゃいましたよ。まぁ、それをご都合主義!という人もいるかもしれませんが、私的にはOKでした。だって、笑っちゃったしねぇ。

そうそう!リデルとサバクのラストシーンが気になるのに、ずーーーっと引っ張られて焦れ焦れしました。途中で、もしや辻村さんは描く気がない!?とか思えてヤキモキ。気になって気になって仕方ないのに、ぼかされちゃってさ~。それもあって必死で読みましたよ。これって、辻村さんの作戦勝ち?もうね、まんまと掌の上で転がされちゃったって感じです(笑)本当に描く気がないのかなぁと半分くらい諦めたところで、ようやく描いてもらえてホッとしました。
・・・てか、このリデルとサバクのどっちも見たい!見れないなら、せめて読みたい!辻村さん、小説としてでもいいから作品にしてくれないかなぁ。

そして、チヨダ・コーキ登場にはやっぱりテンションが上がりましたねー。こうやって他作品とのリンクがあるのが辻村作品の嬉しいところ。でも、関連本を再読したくなっちゃうのは困りものなんだけどね。。。


アニメ界の裏側を垣間見れて、その昔のアニメへの情熱がちょっと蘇ってきたりもして、楽しい読書となりました。
良かった!




(2014.09.08 読了)



ハケンアニメ!
マガジンハウス
辻村 深月

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ラベル:著者(た) 読書
posted by すずな at 05:42| Comment(7) | TrackBack(3) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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