シリーズ最終巻。
終わった。終わってしまった・・・。
”脱力”という言葉では足りない、そんな気持ち。最初の巻から泣きながら読むことが多かったこのシリーズですが、最終巻にふさわしくと言うべきか、ま~ホントに最初から最後まで泣き通しでした。泣きまくりでした。
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ネタバレしてます!未読の方はご注意ください!!
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前巻を読んで「ホントに終わるのか!?」と思ったんですが、本当に終わっちゃいましたよ。もうね、天晴れ!と言いたくなるくらい、伏線も回収し、それぞれがそれぞれに新たな一歩を踏み出し、みなが笑顔で迎えた大団円。澪だけでなく、ご寮さん、天満一兆庵の若旦那だった佐兵衛、美緒ちゃん、ふきちゃんやつる家の面々のこれからが明るいものであるだろうなぁ~と思われて、本当に良かったなぁと思えるラストでした。大満足!
それにしても、野江ちゃんを身請けするために必要な四千両をどうやって工面するのかと思っていたら・・・。この薄い1冊で書ききれるのか!?とか、もしかして「そして月日は流れ~」みたいにしてワープしちゃうのかと思ってたんですが、そんな想像は見事に裏切られました(笑)いや~、やられました。そうか、その手があったかっ!という感じでしたね~。そして、その身請けにしても、そうきたか!と驚きの展開で、読みながら驚きつつ、涙腺大決壊でした。
でもね、澪と野江ちゃんの会話らしい会話が無かったのは、ちょっと残念だったかなぁ。・・・と、「大満足!」と言いながらも、読者の欲求は、本当に勝手で、とどまるところを知りません(笑)
そして、巻末付録として「料理番付」が!これを眺めると、その後の彼らの様子が想像できて嬉しくなりました。おまけに、他作品との絡み(という程でもないけど)もあって、そういう遊び心にもニヤリとしたりもして。眺めてるだけでテンションがあがりました。
まだまだ澪の物語を読みたい気持ちは大きいですが、それぞれのその後を描いた番外編を書いてもらえるようなので、それで気持ちを収めなきゃね。
辛く苦しいことが続いて読むのが本当にキツイ時もあったけれど、いつでも、どんなときでも、前を向いてぶれることなく進んでいく澪の姿に「私も頑張らなきゃ!」と励まされたし、「負けるな!頑張れ~!」と心からの声援を送ることができました。
そうそう!忘れちゃいけません。このシリーズでは登場するお料理も凄く美味しそうで、時に「食べたいよーっ」と身悶えしちゃうこともありました(笑)巻末にレシピが載ってたんだけど、結局、一度も作らずじまいだったので、そのうち、どれかに挑戦してみたいなぁ。・・・と、思ってるだけで終わっちゃうんだろうな(笑)
本当に、本当に、素敵な物語でした。
・結び草 葛尽くし
・張出大関 親父泣かせ
・明日香風 心許り
・天の梯 恋し粟おこし
巻末付録 澪の料理帖
特別付録 みをつくし瓦版
料理番付
(2014.08.15 読了)