シリーズ第13弾。
このシリーズもとうとう13冊目となりました。いや~こんなに長く続くとは思いもしなかったですねぇ。・・・て、新刊が出る度に言ってるような気がするんだけど(笑)お蔭で、みんながそれぞれに歳を重ねて、とうとう若旦那の嫁取りまで・・・。
短編集が苦手な私ですが、このシリーズは長編よりも短編の方がテンポも良くって好きです。今回も、もちろん短編集で、とーーっても楽しめました。
**ネタバレあります。お気をつけて。**
いきなり栄吉の見合い話から始まってビックリ!おまけにお相手まで決まってしまって、さらにビックリでした。ということは、本当に若旦那の嫁取り話もあるのーっ!?とドキドキしました。いや、あらすじには書いてあるけど、「なーんちゃって。」みたいな感じで収まるのかなぁと思ってたんですねぇ。
で、ドキドキわくわくしながら読み進めたら・・・。
太一郎が夢の中で大奮闘したり、上方で大活躍しちゃったりして。そして、そんな若旦那の元へ山のような見合い話が舞い込んできて・・・。まぁ、そういう流れはねぇ・・・そうきても驚かないよ、だったんだけども。仁吉や佐助が若旦那との関係について考えるという流れには、ちょっと「え?これはもしや・・・」と。確かに、若旦那は人間なんだから、妖である二人との別れは必ずやってくる訳なんですよね。二人がどんな選択をするのかも気になりつつ、若旦那のお見合い話も気になるし。どうなるんだろう、どうするんだろうと、ドキドキしました。
そして。
うわー、そうきたか!な、展開にビックリというかなんというか。仁吉や佐助の選択も嬉しかった。人間である私には、ちょっと気が遠くなる話だけど(笑)でも、なんだかみんなが幸せになりそうな流れで、それは良いんじゃないの~とホッと胸をなでおろしました。
このシリーズ、まだまだ続きそうですね。畠中さんは他作品で、このシリーズと似たようなお話を書かれているので、どうなるんだろうと心配もしてたんですよねー。でも、まだ若旦那や鳴家たちにも会えそうなのでホッとしました。
・栄吉の来年
・寛朝の明日
・おたえの、とこしえ
・仁吉と佐助の千年
・妖達の来月
(2014.09.11 読了)
2014年09月14日
ドキュメント 自衛隊と東日本大震災(瀧野隆浩)
東日本大震災で自衛隊が行ったオペレーションを綴ったドキュメント。
報道だけでは分からない、現場の苦悩、苦労、想い、覚悟などなど。赤裸々に綴られていて、読みながら心を揺さぶられるのは当然。そう思いながらも、やっぱり胸が熱くなりました。
あの時、そこで向き合った人々は、ここに書かれている自衛隊だけではなく、様々な立場の様々な人々がいたんですよね。そして、その人々それぞれが、自分が出来ることを必死にやったんだよなぁと、そんなことを改めて思いました。もちろん、今思えば失策もあったのかもしれない。でも、あの時、あの未曾有の大惨事の只中で、最上と思ってやったことに対して、その現場にいなかった人には何も言えないんじゃないかなと思います。想いはみな、同じだったはず。
それにしても、良く知りもしない私がこんなことを言うのはアレなんですけど、ど素人の戯言として言わせてもらいたいんだけど。
自衛隊の能力というものを私は見くびっていたんだということを初めて知りました。
「こんなに早く全艦艇を出せる海自の能力は世界一だぜ」(p85)
震災発生6分後に「全可動艦出港」というオペレーションを成しえた海自部隊に対する米海軍幹部のこの言葉には本当に驚きました。凄いんだなぁと認識を改めた一文でした。
①原子炉上空へ
②混乱する職場
③オペレーション・アクア
④遺体と向き合う日々
⑤原発3キロ圏内
⑥郷土部隊として
⑦段ボールとカタログと
(2014.05.06 読了)
報道だけでは分からない、現場の苦悩、苦労、想い、覚悟などなど。赤裸々に綴られていて、読みながら心を揺さぶられるのは当然。そう思いながらも、やっぱり胸が熱くなりました。
あの時、そこで向き合った人々は、ここに書かれている自衛隊だけではなく、様々な立場の様々な人々がいたんですよね。そして、その人々それぞれが、自分が出来ることを必死にやったんだよなぁと、そんなことを改めて思いました。もちろん、今思えば失策もあったのかもしれない。でも、あの時、あの未曾有の大惨事の只中で、最上と思ってやったことに対して、その現場にいなかった人には何も言えないんじゃないかなと思います。想いはみな、同じだったはず。
それにしても、良く知りもしない私がこんなことを言うのはアレなんですけど、ど素人の戯言として言わせてもらいたいんだけど。
自衛隊の能力というものを私は見くびっていたんだということを初めて知りました。
「こんなに早く全艦艇を出せる海自の能力は世界一だぜ」(p85)
震災発生6分後に「全可動艦出港」というオペレーションを成しえた海自部隊に対する米海軍幹部のこの言葉には本当に驚きました。凄いんだなぁと認識を改めた一文でした。
①原子炉上空へ
②混乱する職場
③オペレーション・アクア
④遺体と向き合う日々
⑤原発3キロ圏内
⑥郷土部隊として
⑦段ボールとカタログと
(2014.05.06 読了)
明日の子供たち(有川浩)
はぁ・・・脱力。
今作も有川ワールドにどっぷり浸かった~と思える1冊でした。
児童養護施設を舞台にして、やる気だけは人一倍の新人職員、3年目の中堅職員、理論派の熱血ベテラン職員、問題のない子供、大人より大人びている子供と5人の登場人物を中心に描いた物語。
有川作品は大好きだけど、でも、実は読むにはかなりの気力が必要。軽いタッチで書かれた文章ですが、内容は全く軽くない。ずっしりと重い。そして、「お前はどうだ?」と容赦なく突き刺さってくる。読みながらグサグサと刺さるものを受け止め、それでも読み続ける。かなりシンドイ。途中で挫折しそうになることもある。でも、それ以上に面白いので、途中では止められない。・・・と、そんなことを繰り返すので気力はもちろん、なんだか体力までも奪われてしまうようで、読み終わるとガックリきちゃいます。
今回もそんな読書となりました。
新人職員の慎平は最初からやってくれちゃいましたね。「かわいそう」という言葉は、どう考えてもイカンやろー!と読みながら突っ込みを入れたんだけど、でも。と、フト我に返る。私はどうかな。さすがに当事者に向かって言葉にすることはないけど、心の中ではどうかな。そう思ってないか?上から目線で。ホントに思ってないか?考え出すと、ぐるぐると気持ちが回って訳が分からなくなる。
それでも、物語は続いていく。
親(家族)と一緒に暮らしていないということは、どういうことなのか。高校を卒業した後の進路やその後の生活についても、そうか!と思ったけど、一番、印象的だったのはカレーのこと。確かに施設で集団生活していると、その時に食べきる量しか作らないんでしょうね。残ったカレーを数日かけて食べるとか、日をおくと実は美味しいこととか、最後はチャーハンやうどんにして食べたりとか。他にも金木犀の香りについても。それを知らなくても、別に困ることでないし、わざわざ教えることでもないんだけど。でも、それが自然と身についてなかったりというのがあり得るのだ。こうやって物語として読むと、あ~そうかもなぁと思う。
施設を出た後の心の拠り所となる場所の大切さも知った。確かに、そうだろうなぁと思う。でも、そんな施設の維持が難しいことも、少ないことも、この物語を読んで初めて知りました。
ちょっと前に話題になったTVドラマについても言及されてましたね。これは、言いたい、言っておきたい!という有川さんの強い意志を感じるくだりでした。有川さんのというよりも、有川さんが関わった施設に関係する方々の、でもあるんでしょうけど。
それから、読書の力についてのくだりは、読書好きとしては嬉しかったというかなんというか。どんな物語でも良い、それを読んで、笑ったり泣いたり怒ったりしたこと全てが糧となる。何かの折に、ちょっとでも抑止力になったり、後押ししてくれたり、そんなことがあれば良いなと思う。まぁ、私自身、ただただ好きで楽しいと感じるから本を読んでるだけで、そんなこと、これっぽちも考えてないんですけどね(笑)
そういえば、今回は有川作品でも極甘恋愛要素は少なかったですね。いつもなら、「恋愛要素が足りなーい!」とかって、クレームのひとつも言いたくなるんですが、今作に限っては、そういう不満は感じなかった。私にしては珍しい(笑)
最初にも書いてますが、有川作品を読むのは気力を使う。あれこれ自身に問いかけたりもして、グッタリと疲れてしまう。自分の傲慢さや弱さを感じてゲンナリしちゃったりもする。今作でも様々なことを考えた。結局、私はどうかな、という問いには答えは出なかった。色々と考えちゃって分からなくなっちゃったというのが正直なところなんだけど。答えは出なかったけれど、こんなことを考える機会ってそうそうないんですよね。でも、時にはこんな風にぐるぐると考えたりすることは大切なことだと思う。だから、そんなきっかけをくれた、この作品と有川さんに感謝したい。
・・・て、なんか、今回はいつも以上に真面目路線な感想になっちゃったなぁ(笑)いつもは、有川作品だとテンションだだ上がりな記事になるんだけど。ま、たまには、こういうのもいいか~。
(2014.08.10 読了)
今作も有川ワールドにどっぷり浸かった~と思える1冊でした。
児童養護施設を舞台にして、やる気だけは人一倍の新人職員、3年目の中堅職員、理論派の熱血ベテラン職員、問題のない子供、大人より大人びている子供と5人の登場人物を中心に描いた物語。
有川作品は大好きだけど、でも、実は読むにはかなりの気力が必要。軽いタッチで書かれた文章ですが、内容は全く軽くない。ずっしりと重い。そして、「お前はどうだ?」と容赦なく突き刺さってくる。読みながらグサグサと刺さるものを受け止め、それでも読み続ける。かなりシンドイ。途中で挫折しそうになることもある。でも、それ以上に面白いので、途中では止められない。・・・と、そんなことを繰り返すので気力はもちろん、なんだか体力までも奪われてしまうようで、読み終わるとガックリきちゃいます。
今回もそんな読書となりました。
新人職員の慎平は最初からやってくれちゃいましたね。「かわいそう」という言葉は、どう考えてもイカンやろー!と読みながら突っ込みを入れたんだけど、でも。と、フト我に返る。私はどうかな。さすがに当事者に向かって言葉にすることはないけど、心の中ではどうかな。そう思ってないか?上から目線で。ホントに思ってないか?考え出すと、ぐるぐると気持ちが回って訳が分からなくなる。
それでも、物語は続いていく。
親(家族)と一緒に暮らしていないということは、どういうことなのか。高校を卒業した後の進路やその後の生活についても、そうか!と思ったけど、一番、印象的だったのはカレーのこと。確かに施設で集団生活していると、その時に食べきる量しか作らないんでしょうね。残ったカレーを数日かけて食べるとか、日をおくと実は美味しいこととか、最後はチャーハンやうどんにして食べたりとか。他にも金木犀の香りについても。それを知らなくても、別に困ることでないし、わざわざ教えることでもないんだけど。でも、それが自然と身についてなかったりというのがあり得るのだ。こうやって物語として読むと、あ~そうかもなぁと思う。
施設を出た後の心の拠り所となる場所の大切さも知った。確かに、そうだろうなぁと思う。でも、そんな施設の維持が難しいことも、少ないことも、この物語を読んで初めて知りました。
ちょっと前に話題になったTVドラマについても言及されてましたね。これは、言いたい、言っておきたい!という有川さんの強い意志を感じるくだりでした。有川さんのというよりも、有川さんが関わった施設に関係する方々の、でもあるんでしょうけど。
それから、読書の力についてのくだりは、読書好きとしては嬉しかったというかなんというか。どんな物語でも良い、それを読んで、笑ったり泣いたり怒ったりしたこと全てが糧となる。何かの折に、ちょっとでも抑止力になったり、後押ししてくれたり、そんなことがあれば良いなと思う。まぁ、私自身、ただただ好きで楽しいと感じるから本を読んでるだけで、そんなこと、これっぽちも考えてないんですけどね(笑)
そういえば、今回は有川作品でも極甘恋愛要素は少なかったですね。いつもなら、「恋愛要素が足りなーい!」とかって、クレームのひとつも言いたくなるんですが、今作に限っては、そういう不満は感じなかった。私にしては珍しい(笑)
最初にも書いてますが、有川作品を読むのは気力を使う。あれこれ自身に問いかけたりもして、グッタリと疲れてしまう。自分の傲慢さや弱さを感じてゲンナリしちゃったりもする。今作でも様々なことを考えた。結局、私はどうかな、という問いには答えは出なかった。色々と考えちゃって分からなくなっちゃったというのが正直なところなんだけど。答えは出なかったけれど、こんなことを考える機会ってそうそうないんですよね。でも、時にはこんな風にぐるぐると考えたりすることは大切なことだと思う。だから、そんなきっかけをくれた、この作品と有川さんに感謝したい。
・・・て、なんか、今回はいつも以上に真面目路線な感想になっちゃったなぁ(笑)いつもは、有川作品だとテンションだだ上がりな記事になるんだけど。ま、たまには、こういうのもいいか~。
(2014.08.10 読了)